生き残りをかけるクレジットカード業界

クレジットカードを取り巻く環境

クレジット&ローン業界は今、一つの「追い風」と三つの「逆風」にさらされ、激しく揺れ動いている。これまでにない変革期の最中にある、といってよいかもしれない。

 

「追い風」とは、公金決済の解禁である。07年から東京23区で水道料金がクレジットカードで決済できるようになった。また、08年以降は自動車税、固定資産税など、自治体が管理する公金をクレジットカードで決済できるようになる可能性が出てきた。公金だけで20兆円を超える市場があると言われている。さらに電気料金、ガス料金などの公共料金を加えると、もっと巨大な規模になる。

 

クレジット市場は、ここしばらくは膨張を続けると見られている。そこからは、明るい未来が見える。一方、「逆風」は、「改正貸金業法に代表される規制強化」「メガバンク主導による再編」、それに「電子マネー陣営による攻勢」の三つである。これらの「逆風」は、クレジット&ローン業界の根幹を一変させてしまうほどの影響力を持っている。公金決済解禁に伴う新規領域ののびしろを帳消しにしないかと、関係者は恐れている。

 

特に「改正貸金業法」による上限金利の引き下げは、消費者金融専業者やキャッシッグ比率の高いカード会社を直撃し、その経営を危うくしかねない。法律そのものは09年末に正式に施行されるが、それを待つまでもなく、すでに過払い金返還請求によって、各社とも自己資本比率が低下し、その体力を削がれている。今や危機的な状況に陥りつつあり、貸金業者の中にはクレディアのように倒産するところや、ビジネスモデルの破綻を宣言するところも出てきた。特に消費者金融専業者への影響は大きく、中小規模事業者の多くは、大手への吸収を待つか、撤退するか、またはヤミ金融に転じるかを迫られている。

 

クレジット&ローン業界は、これまでの「ぬるま湯」的状況に浸っていては生き残れないところまで追い込まれた。重大な転換点に立だされている。二つめの逆風が「メガバンク主導による再編」である。三大メガバンクを中心としたリテール事業者(カード会社、消費者金融専業者)の獲得競争は、いよいよ最終段階を迎えている。折りからの改正貸金業法の成立もあって、カード会社、消費者金融専業者は、ますます単独では生き残りが難しい状況になってきた。メガバンクの傘下に入って延命するしか道がないように見える。そこで、囲い込み、争奪戦争はさらに熾烈になってきた。

 

しかし、すべての業者がメガバンク主導でグループ化されることが本当に利用者のためになるかどうかはわからない。あまりに銀行色が強くなりすぎると、これまでの日本の消費者信用業界の伝統を壊すことになり、多様性が失われるように思われる。サブプライムローン問題で米系銀行が軒並み大打撃を受けたのを見ると、独立して独自の戦略を打ち出すところがもっと出てきてもよいように思うが、どうだろうか。

電子マネー陣営による攻勢

クレジット&ローン業界の逆風は、「電子マネー陣営による攻勢」である。TJR東日本やトヨタ、イオングループといった大企業が電子マネーに参入して、さらに自社のクレジットカードを絡めて大型提携戦略で、巨大な顧客基盤を作ろうとしている。これは決済を専業とする既存のカード会社にとっては、大きな脅威となりつつある。JR東日本といった新興勢力とどう付き合っていくべきか、電子了不1に対するスタンスをどう取るべきか、今後の課題になるだろう。

 

このように激動が続くクレジット&ローン業界であるが、「逆風」も含めて、今このリテール分野が最も注目を集めているのも確かなことである。特にITの発達で、キャッシュレス社会が現実のものとなりつつあり、また、身近な決済の重要性が、マーケティング面を含めて強く認識され始めている。

 

当サイトでは、クレジット&ローン業界の最新情報を紹介しつつ、電子マネーへの取り組みを含めて、新しい姿に転換しようとするこの業界のすべてを網羅した。幸い、業界に吹き荒れた厳しい寒風も一服感があり、これからは上昇の気運も見え始めたようだ。

 

「逆風」はまたチャンスの到来を意味してもいる。もし読者の中でこの業界への就職を考えている方がいるなら、ぜひこの勃興しつつある業界に参加して、その若い感性で新しい道を切り開いていってほしい。消費者と直結した業界なので、仕事の成果を直接実感できる、やりがいのある業界であることは間違いない。

 

 

 

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クレジットカードホルダーの質問。電子マネーがクレジットカードより便利なところは、 使用時にクレカと違いサインを必要としないという、お手軽さがあると思いますが、コンビニでの支払い時はクレカもサインを必要としないので、コンビニにおいては電子マネーがクレカよりもお手軽で便利という事は当てはまりませんよね?

答え。あと、クレジットカードは審査が必要ですが、プリペイドの電子マネーは事実上無審査ですし、年齢制限も緩いですね。あと、クレジットカードは利用承諾が事実上必要ですので決済にちょっと時間がかかるのがネックです(QUICPayは毎回利用承諾を取らないことで時間の節約を図っているフシがあります)。